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硬〜い貴金属を曲げるには?。。。実は小技があるのです

皆様!こんばんは〜!

本日も蒸し暑い九州よりお届けいたします。

昼間は本当に暑かった。。。しんどかったです。

この時期、熱中症には本当に注意です。

皆様、くれぐれもお体ご自愛ください!

 

さて、今日はちょっとまた彫金のお話をしましょうか。

 

 太さ、厚みのある貴金属をくるりんぱと曲げるには?

貴金属加工をする上で、プラチナやK18やsilverの

厚さ1mm近い板を、石の形に合わせて丸く筒状に曲げて

石枠の土台を作ったり、

 

太さ2ミリくらいの丸線や、太めの甲丸線を

指輪の形やバングルの仕様ににまあるく曲げたりという、

太くて厚みのあるものを精密に曲げていく工程があるのですが、

 

ぐぎぎぎぎ〜💪😡

 

と力で曲げるような、力技の仕事と思われがちですが、

実はそんな力任せに叩いたり、曲げたりしますと、

金属疲労と言いますか、ヒビが入ったり、ちぎれたりします。

 

それに、力まかせに硬い金属を曲げると

精密な形は作れません。力の反発と言いますか、

大まかにしか曲げられません。

 

それならどうするのか?

実は彫金や金属加工する人たちには常識のようなことなのですが、

加工のコツがあるのです。

 

 金属なましという工程

曲げたい貴金属をシルバーとK18としてお話しましょう。

曲げたい貴金属に、ナマシ(金属なまし)という工程を1工程加えます。

 

ナマシという工程は、この暑い時に想像するだけで嫌な話かも知れませんが、

曲げたい金属をバーナーで溶けないように、

全体を満遍なくピンク色になるまで熱し、すぐに希硫酸もしくは水で急冷します。

そうすることで、簡単に曲げられるほど柔らかくなります。

 

その原理をイメージとして理解していただくために、

金属分子配列を緩ませると考えてください。

硬くて曲げられなかった時は、

貴金属を構成する分子が『おしくらまんじゅう』しているぎゅっと詰まった状態。

緩みがないので、曲がらない。

その点『ナマシ(金属なまし)』の工程を加えると

少し金属分子間のくっつきが離れるので、曲げやすくなるということです。

(おそらくですが、分子間力が緩むのだと思われます)

 

シルバーの場合は、しばらくこのなまされた状態(柔らかい状態)が続きますが、

何度も何度も曲げたりして形成して力が加わることで、

金属分子間の緩みはまた『おしくらまんじゅう』状態に戻っていきます。

つまりまた硬くなります。

そうしたらまた『ナマシ』工程を行えば、加工しやすくなります。

 

シルバーとK18は、

同じような『ナマシ』工程で柔らかくなるのですが、

少しだけ違いがあります。

 

シルバーが柔らかい状態が長く続くのに対し、

K18は整形しているうちにすぐに硬くなりますので、

まめに『ナマシ』工程を入れる必要があります。

そうでないと、先にもお話ししましたが、

金属疲労と言いますか、ヒビが入ったり、ちぎれたりして、

せっかくの作品がボロボロっと壊れてしまいますので、注意が必要です。

 

プロはまずそんなことにはなりませんが、

初心者さんは大抵習う時はsilverから始めるので、

silver のつもりで進めると、K18になった途端勝手が違ってくるため、

ちょっと覚えておくと失敗しなくていいかも知れませんね。

 

ブリオレットダイヤが鈴なりのスパークルピアスK18

 

なました後はどうなるか?

なました後は基本柔らかいままです。

経年変化で時々圧がじわっとかかったりするので、

何もしなければだんだん硬化するとは思われますが。

 

でも、ピアスフックなどは柔らかいままでは

ちょっと不都合なので、元の硬い状態に戻すという工程を加えます。

そのほうが確実ですからね。

 

指輪の場合は、出来上がりを鋼鉄のサイズ棒に通して、

小槌などでトントンと圧を加えたり、

フックや平面のものは、鋼鉄の板の上に置いて

同じく小槌などで圧加えたりします。

 

磨きの工程でも、鋼鉄の磨き用のヘラなどで表面を強く擦ることで

同じく圧を加え、硬化させます。

 

ちょっとしたことですが、こうやって彫金師は

金属の性質を理解した上で、その性質をうまく利用して

上手に加工をしていくのです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

こんな感じで、ジュエリーを作製しております。

何かご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

もし良かったらこちらからご覧ください↓

 

ではでは、今日はこの辺で〜👋

 

 

 

この記事を書いた人

akazou (明石 馨)

atelier akazouのデザイナー兼ブログも書いている何でもござれの彫金師

美しい銀と宝石の輝きに取り憑かれて、気がついたら大学そっちのけで
宝飾の専門学校に通い詰めていました。
何とかどちらも卒業したものの、宝飾関係の職につかなかったのですが、
ひょんなことからまたジュエリー作りに携わっています。

ダイヤとお酒と美味しいものには目がありません。
ダイヤをこよなく愛し、ダイヤのキラキラでお酒が飲めるほどのダイヤオタク。

ダイヤオタク兼食いしん坊の作り手のテーマは、
『Jewelry Delicatessen ジュエリーデリカテッセン』
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