曲線の多いジュエリーやポッテリしたものはどうやって作るの?
皆様、こんにちは。
ジメジメな梅雨の時期ですが、
皆様、お元気にお過ごしでしょうか?
意外なことに、ジメジメな雨のシーズンは、
風水的にはお金が貯まる、良い時期なのだそうです。
実りの雨ともいいますし、そういったことが関係するのでしょうかね??
こういう、ちょっと微妙な曇りの時期は、
気分もスッキリとは晴れませんが、ちょっとコーヒーブレイクがてら、
ジュエリーお好きでしたら、私のマニアックなお話でも読み流しながら、
休憩してくださると、嬉しいです。
今日はまたちょっとマニアックなジュエリーの豆知識をお披露目いたしましょう!
ジュエリーの作り方は大雑把に分けると2種類
ジュエリー作りは大きく分けて、
『彫金』と『ロストワックス』に分けられます。
ものによって私は複合的にこれらの方法を使っております。
これらをまとめて貴金属加工を一般的に『彫金』と言いますので、
線引きが曖昧な感じもします。
もっと専門的に言うと『金工』と言ったりもします。
こちらはどちらかと言うと、美術系の専門の方の使うことが多い気がします。
正確に分類などする必要はないのですが、
こういった感じなのか〜ということがわかると
ちょっと楽しいかもしれません。
『彫金』は簡単に言いますと、貴金属の塊を
板に伸ばしたり、線にしたりして、
さらにその板や線をギコギコと金属ノコギリで切ったり、
ローラーで潰したり、金槌や木槌で叩いたりしながら、形を整え、
そしてパーツ同士をバーナーで溶接(ロー付けと言います)したりして作る方法です。
結構、規模は小さいながらも、体力勝負のガテン系の仕事っぽいですかね?(笑)
それに対し、『ロストワックス法』は、
まさにワックスのブロックを彫刻して形を作ります。
塊のワックスを必要な形にノコで切り、
ヤスリで整えながら整形していきます。
必要によって、ハンダゴテのような先端の温度を変えられる装置(ワックスペン?)
で溶かしたりして、ワックスブロック同士をくっつけたり、
つるっとなるように溶かしたり、磨いたりもします。
歯科技工のスパチュラや彫刻刀などを使って、
細かく彫刻するときもありますし、
リューターといいまして、歯医者さんが歯をウィーンと削る
ハンドピースの先端に、ドリルやヤスリの類をつけて削ることもあります。
小さなものは、非常に細かく細工するので、大変ではありますが、
貴金属の線や板から切り出して作るよりは、
ワックス自体が柔らかいので、加工が楽ではありますし、
ぷっくりしたものや、丸いもの、厚みのあるもの
細工の細かいものが作りやすくはあります。
ワックスには粘りと硬さの違うものがありまして、
細かな彫刻が必要な時は、ハードワックスに。
優雅な捻りなどを入れたりしたいときは、
蜜蝋と低い融点のパラフィンをうまく混ぜて
手の温度で整形しやすい温度に調整したワックスで
作るときもあります。
ワックスから貴金属へ
では、どうやってワックスから、貴金属へ転換するのでしょうか?
それには、大まかに言うと、このワックスを鋳型にするのです。
え??と思われますか?原理を説明いたします。
このワックスを彫刻したり、整形したりしたものを石膏に埋め、
炉で高温で焼き上げると、石膏の中にワックスが燃えてしまった後の空洞ができます。
これが鋳型になり、この鋳型に好きな貴金属を流し込み(遠心鋳造法)、
彫刻されたワックスと同じ形の貴金属パーツが出来るのです。
少し規模の大きい工房でしたら、工房内でなさっている方もおられるかもしれませんが、
遠心鋳造をする大掛かりな機械は、数百万から数千万円くらいするので、
我々個人の彫金師は、貴金属の種類を指定して、
御徒町などの専門業者へ依頼することが多いです。
下手な業者がやると、貴金属の表面に『ス』といいまして、
小さな小さな穴が開くことがあります。
石膏を塗るときに、小さな気泡を入れてしまったり、
石膏とワックスに温度差があったりすると出来たりします。
これ、埋めるの大変なのですよ。削ると凹むし、
ワックス彫刻は一点しかないので、やり直しはできないし。。。
小さい作品でしたら、表面にミクロンの穴が出来ても致命傷です。
御徒町の専門業者ですと、それはその道のプロ中のプロなので、
ほぼそういったことはありません。
ワックスの手軽さ
ワックスで作る手軽さは、貴金属を在庫としておかないところと、
ガスバーナーや展延ローラーなど、
あまり大掛かりで危険な装置が不要なところでしょう。
ワックスや、それ用のノコギリ、ワックス用のヤスリ、
彫刻刀、スパチュラ、アルコールランプくらいはあったほうがいいかもですが、
彫金を本格的にするより、用意する道具はお手軽でいいかもしれません。
危険薬物などもあまりいらないので、テーブルの上でも出来る。
ただ、恐ろしいほどワックスクズが出るので、
掃除はマメにしないといけないでしょうけれども(笑)
しかし実際には、ワックスのみで彫金作品を完結させるのは難しいので、
最終的に鋳型から、シルバーやゴールド、プラチナになったところで、
磨きや、微調整がいるのも事実です。
必要だったら、石を留めたりする作業も入ります。
ですので、大きな貴金属加工会社の専門のワックスパタンナーとかでない限りは、
彫金師はどちらも出来る方が多いと思います。
それから、忘れてはならないのが、
ワックスから、貴金属へ置換するときに1割ほど縮むので、
その計算を入れてワックス型を作っておかないと、
石が窮屈で留まらなくなったり、指輪が思ったよりも小さく出来たりしますので、
注意が必要です。
ということで、いかがだったでしょうか?
私は、あまり意識して線引きしたりはしていないのですが、
改めて書いてみますと、頭の整理にもなりました。
彫金師さんによっては、微妙に分類の違う考え方の方もおられるかもしれません。
そこは個人差ありますので、大きく分けるとそうなのね〜くらいに
思っていただけましたら、幸いです。
もし、ご質問がありましたら、atelier akazouまでご一報ください。
ではでは、この辺でおしまいにします。
では、また〜👋
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