atelier akazou atelier akazouでは、シンプルで大人可愛い天然石・ダイヤモンドジュエリーを作製しています。目から見て、身につけて、鏡を見て思わずニコッとしてしまう。心もお腹も満たしてしまう、ちょっとオシャレでラグジュアリーなデリのように、目にも美味しいジュエリーたちをあなたにお届けします。

K18やK10など地金の切れ端はどうするの?〜再生できます!

こん、ばん、は〜!皆様!

今日はちょっと天気の悪い日本海側から

お届けいたします。

仕事がひと段落したとかで、数日オットも夏休み。

オットの実家の方へ今日からお邪魔しています。

 

特に何をするでもないのですが、

オットの高齢のお母さんにご挨拶と、

ご先祖のお墓参りに行く予定です。

 

さて、今日も彫金のお話をしましょう。

作製過程で出てしまうK18やK10の切れっ端をどうするか?

もしくは失敗したK18やK10をどうするか?

についてお話しします。

 

こういうことは、彫金を長くしている方なら

別に何も珍しくないのですが、

きっと、彫金に携わらない人にとっては

珍しいかな?と思って、今日はお話ししてみますね。

 

貴金属クズは主に切れっ端とヤスリ屑

彫金を始めたばかりの頃は、無駄になる切れっ端がよく出ます。

どれくらい地金がかかるかという計算がまだ甘いので、

なるべく無駄にならないようにしているはずの

必要最低限の見積もりが甘いためです。

 

足りないと元も子もないのですし、

初心者さんは自信がないので、

おっかなびっくり大きめに切ったり、作ったりして、

無駄にヤスったり、切ったりしないといけなくなります。

この分、時間がかかります。

上手くなると、無駄な地金も少なくなるし、

作製時間も短縮できる、というわけです。

 

さて、最初はシルバーから作製しますので、

私も専門学校に通っていた頃は、大量にシルバー屑を持っていました。

 

沢山溜まってくると、gをある程度測って、

錬金術のように、専用の素焼きのお皿(チョコ皿と言います)の上で、

バーナーをボウボウ言わせて、銀を溶かして、

インゴットのように作り直していました。

 

こういった自分で再生してみることが、

地金の特性を掴むためにも、非常に勉強になりました。

ただ、温度管理が下手ですと、割りガネの銅などが

融点が違うために分離するので、注意が必要です。

 

また、恐ろしい火力でボーボーやるので、

しっかり耐熱の対策をしないといけません。

家庭ではちょっとしないほうがいいかも知れませんね。

火事になると危ないですし。

 

地金クズと言いましても、大きく2種類があります。

 

小さいですが、地金の塊である、

地金板の切れっ端や、丸線やワイヤーなど、

もしくは鋳造の時に出る、バリや湯道(石膏の型に流すときの通路)など。

それと、その地金にヤスリをかけた時に出る、ヤスリクズです。

 

切れっ端は、本来その地金の成分がほとんどで

混じりっけがないので、そのまま溶かしても

あまり支障はないです。

 

しかしヤスリクズは注意が必要です。

ヤスリ自体が主に鉄なので、

ヤスる時に地金と一緒に削れてクズになっています。

つまり、ヤスリクズには、鉄が含まれます。

ちゃんと除かないと、溶かして再生は出来ません。

たとえできたとしても、鉄が混じるため、均一には混ざりません。

展延したり、叩いた時に、この鉄の成分の不均一さにより、

脆くなり、割れが生じたりします。

また、鉄成分が混ざるので、金属アレルギーの方には絶対に禁忌です。

 

K18 0.1ctc ダイヤモンドリング

 

貴金属クズの再生

おそらくプロの彫金師は

自分でヤスリクズを再生しないと思いますが、

もしやるとすれば、教科書的には磁石で砂鉄を集める要領で、

じっくり根気よく、ヤスリ由来の鉄屑を取り除いてから

バーナーにかけ、再生させます。

 

ただ、どんなに丁寧にしてもゼロにはならないので、

プロの彫金師は通常、

ヤスリクズ、切れっ端を沢山集めて、専門業者に出します。

専門業者は化学的な処理も組み合わせて再生しますので、

必要のない成分である鉄や、その他の成分は完全に除去してくれます。

これを『分析に出す』と当時私たちは言っておりました。

 

業者にもよりますが、必要でしたら、

K18のヤスリクズを沢山出して、K10の板にして欲しいとか、

K18のヤスリクズから、K18の線にして欲しいとかにも対応してくれます。

 

ちなみに私は昔、K18の切れっ端の再生のために分析に出した時、

研究所でいらなくなったプラチナ製の電極を沢山もらったので一緒に出して、

プラチナ分の値段を再生にかかる手数料から引いてもらいました。

 

この話をすると、江戸時代の飾り職人のエピソードを思い出します。

飾り職人は主にシルバーを扱っていたようなのですが、

ヤスりクズが沢山畳の目に入り込んでしまうので、

年末の畳がえの時に、その畳に価値がつくとのこと。

長屋だったら、その畳で家賃分になったとかいうお話しです。

シルバーのヤスリクズを、今のご時世だと、

どのくらい畳にぶちまけたら、家賃分になるかしら!?

と、それこそ無駄な皮算用?をしております(笑)

今、シルバーはそんなに金ほど高くないですからね。

 

今は、携帯やPCにも、

たくさんの金やプラチナが使われていますし、

これだけ金が高騰していると、

再生するコストを考えてもニーズは多いと思います。

何よりも時代のトレンド、エコですものね。

 

 

こんな感じで、ジュエリーを作製しております。

何かご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

もし良かったらこちらからご覧ください↓

 

 

ではでは、今日はこの辺で〜👋

この記事を書いた人

akazou (明石 馨)

atelier akazouのデザイナー兼ブログも書いている何でもござれの彫金師

美しい銀と宝石の輝きに取り憑かれて、気がついたら大学そっちのけで
宝飾の専門学校に通い詰めていました。
何とかどちらも卒業したものの、宝飾関係の職につかなかったのですが、
ひょんなことからまたジュエリー作りに携わっています。

ダイヤとお酒と美味しいものには目がありません。
ダイヤをこよなく愛し、ダイヤのキラキラでお酒が飲めるほどのダイヤオタク。

ダイヤオタク兼食いしん坊の作り手のテーマは、
『Jewelry Delicatessen ジュエリーデリカテッセン』
心もお腹も満たす、ちょっとオシャレでラグジュアリーなデリのような
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代表者名 明石 馨
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