無念のエンゲージリングと師匠のお言葉
みなさま、こん、ばん、は〜!
相変わらず宵っ張りで夜人のakazouです。
ピルクルかな?錦鯉の2人が夜中に叫ぶあのCM、
ばかばかしいけれども、大好きです(笑)
先月半ばから九州の実家でお手伝いしておりますが、
夏バテから高齢の母が膀胱炎になりまして、
今回は長期滞在になっております。。。
三ヶ月ごとになっていて心配です。
高齢のご家族が居られる方は、
どうぞ気をつけてあげてくださいね。
最近ゆっくりなのですが、ピンクダイヤの
ちょっと変わった石枠を作っておりまして、
それがなかなか悩ましいところなのです。
完全にK18で覆ってしまうと可愛いのですが、
光の入り方でダイヤの輝きが変わるので、
どのように光取りの隙間をデザインを壊さずに入れ込むか、
悶々と考えております。
出来上がってからのお楽しみ♡
私がオーダーしたエンゲージリングは残念無念
さてさて、私は昔から、
ダイヤのシンプルかつK18をちゃんとケチらずに使って作った、
手作り感のあるシンプルでちょっと大きめのダイヤリングが
いいな〜&作りたいな〜、と
彫金の専門学校に通っていた頃から思っていました。
その当時のダイヤのリングは、時はバブルだったこともあり、
ダイヤいっぱいゴテゴテ、隙間にメレダイヤをこれでもかっ!
とぎっしりな感じでした。
もちろん、エンゲージはその当時もシンプルなティファニーは
人気でした。クリアダイヤ、ちょっと太めのプラチナ、
シンプルで美しい王道だと思います。
ワタクシの兄もこの頃に結婚したので、
お嫁さんにティファニー買ってあげてたなあ。。。貯金ないくせに(笑)
当時、プラチナの方が金よりもずっとお高かったので、
記念には当然プラチナだったのだと思います。
飽きも来ないし、シンプルなこの組み合わせは美しいと思います。
でも、ワタクシ的にはちょっとだけ冷たい感じがするのです。
好みの問題ですけれどね。
ワタクシ的には、あたたかな感じのする黄色のK18が好きです。
肌馴染みも良いですし。
私達黄色人種ですので、肌が明るく見えてシックリします。
十数年前にワタクシが結婚する時も、そんなことを色々を考えて
エンゲージリングを作るか悩みました。
自分では作らず、オーダーしました。
自分で作ると。。。忙しさを言い訳に手を抜くから(笑)
そして作ってもらう、ワクワクがないのは残念ですしね。
それもそうなのですが、その当時、前職がとてもキツかったので、
ストレスmaxで、家帰ってからワックスに細かな彫刻をするような
心の余裕なんてなかったのが、最大の理由です。
オレンジの強いブラウンの大きめのダイヤ(1.92ct)
を探して購入して、加工賃やら色々かかるのですが、
良さそうな工房を探して、
好きなデザインで作ってもらうことにしました。
ダイヤのオレンジブラウンに合うK18ピンクゴールドで
シンプルで太めなアームにしてもらい、
でっかいダイヤを左右の2点で石留めするデザインです。
ココマデハ、ヨカッタ。。。
出来上がった時はとっても嬉しかったです。
しかしですね、彫金師なので彫金には小うるさいワタクシ、
見つけてしまったのです。。。マズイところを。。。
これは、彫金師としては、致命傷な案件です。
返品されても文句言えないくらい基本中の基本だからです。
1、石留めが甘い
2、石がでっかいのに、キュレット(お尻のとんがり)までの
長さの目算が間違っている。指にした時にとんがりが当たる。。。
3、磨きが甘い
2点留めなので、甘いと石がぐらつくので石が取れる原因にもなるので、
いかんです。そして、その石留めの爪も磨きと形の整えも甘かった。。。
キュレットが当たるのは、指を傷つけるから、全然だめでしょ。
ダイヤのラウンドブリリアントのキュレット部分は
皮膚を引っ掻けば、簡単にミミズ腫れになります。
そう、皮膚よりずっとずっと硬いのです。
そこで、自分で黙々とやり直しました。
これは、ちょっとマズすぎます。
エンゲージなので、しょっちゅう長い間指にするわけではないので、
キュレットのあたりは何とかちょっとの修正で、誤魔化せます。
石留め、爪、磨きは、全力でやり直しました。
作ってくれたのにゴメンナサイとは思うのですが。。。
残念ながら、これはプロとしてはちょっとお粗末ですね。
オットはそれを見て
『だから、初めから自分で作ったらよかったじゃん!』
とブーブー言っておりました。
スポンサーですからね(笑)
彫金の基本は人に優しい作品
ただ、この時にも、思い出したのですが、
今ブログを書いている今も、
ワタクシの大師匠がいつも口を酸っぱくして言っていた言葉を
思い出しました。
『私達は、金や銀を柔らかいと思っている。
溶かしたり、曲げたり、削ったり、切ったり、と
加工することに慣れていて、
でも人の皮膚よりはずっと硬いことを忘れてはいけない。
バリや、丸め忘れた箇所があれば、お客さんの指は簡単に切れる。
鉱物は人間の皮膚より硬いことを忘れてはいけない。
私達はその硬い鉱物や金属を使って、
人に優しい作品を作らねばならないことを忘れてはいけない。
どんなに美しくても、細工がよくできていても、
人に優しく、柔らかくなければ、ジュエリーとしては失格だ!
何よりも身につける人の立場に立って作ることが基本だよ』
という内容です。
もう彫金学校を終えて数十年たっていますが、
ことあるごとに、この基本の精神を思い出します。
財津一郎さんに似た、大柄の大好きな師匠でした。
大きななりなのに、異常に器用で、
お父さんのように面倒見の良い方でした。
彫金でも何でもそうですが、
思いやりと優しさ、相手の立場に立ってものを考えること、
これが大事だな、と改めて思った、
私のエンゲージリングの残念無念事件でした。
長くなりましたので、今日はこの辺でおしまいにします。
皆様、コロナの感染またまた拡大中ですので、
お体、お心ともにご自愛くださいね。
こんな感じで、ジュエリーを作製しております。
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