ジュエリーを作る仕事につくまでの私の道のり その2
彫金師までの道のり。。。私の場合
さて、私がスムーズに彫金師になったのかと言いますと、
ズバリ、全然でした。ものすごく道のりは遠過ぎた(笑)
まず、彫金の世界に入るのを、我が父はものすごく反対しました。
『彫金やるなら、大学の学費は一切出さん!!!
彫金なんかでは、将来生活できん!!!』
とブチ切れられました。
父は古い人で、熱血サラリーマンを絵に描いたような人で、
自分のうちが職人の家系で、
とても経済的に不安定な生活を送った経験から、
自分の子供に安定した生活を望んだのです。
今ではそのありがたい親心もわかります。
何より大学を辞めるなんて、
チキンな私には怖くてできませんでした。
と言いますのは、自分の技術に自信が持てなかったですし、
商品として販売する、商売をするという壁も
また高かったです。
当時、インターネットはありましたが、
彫金のような単価の高い商品は、
あまりネット販売では売れていない時代でした。
高額商品は対面販売が主流でした。
独立して工房を持つ同期もおりましたが、
結構失敗するケースが多かったです。
いざ数百万を用意して、工房を立ち上げても、
色々困難にぶつかって、辞めざるを得ないというケースを
よく聞きました。(私の周りだけかもしれませんが)
その度に、ああ、キビシイ世界なんだ。。。と思いました。
ですから、ほとんどの方がいつか工房を持って、
彫金一本で仕事をしたい!と思っても、
ほぼ兼業が多かったですね。
かくいう私も、専門学校で学んでいた時、
先輩の持つ工房に勤めないかと誘われました。
私の作るもののデザインを気に入ってくださった先輩が
熱心に引っ張ってくださいました。
その時に1つ条件がありました。
大学を辞め、完全に工房に所属して働くことです。
結構大物のオーダーが多い(取引額も大きい!)ので、
生半可な兼業などでは出来ないですし、
また、有名人の方からのオーダーも多く、
守秘義務?とかもあるからだそうです。
そんな話を聞くだけで、20歳やそこらの私は
無理無理無理。。。となり、
怖気付いてしまいました。
結局大学院まで行き、研究者になりました。
細かーいこと大好きでしたし、研究も好きではありましたが、
その時は、一般的に言うオカタイ職なので、
安定だと信じ込んでいて、自分にとってストレスが少ない気がしたのです。
でも、こっちはこっちで相当大変だったですけれども(泣)
心のどこかでは、好きな彫金でやっていきたいな〜とは
ぼんやり思っていたのですが、
それは、その研究でつまづいた時に、
時々ふっと湧いてくる思いだったので、
自分でも『逃げ』ている時は
そっちを選んではいかん!と頑なに思っていました。
どうしようもなく突き上げられるような情熱
という感じとは程遠いものでした。
しかし『ものづくり』が好きなので、
どうしようもなく作りたい時はありましたが、
前職の仕事は、生半可の気持ちでこなせるものではなかったので、
学生の時のように、本職をしながら兼業とは行きませんでした。
そうは言っても、いつかは彫金をしたい!
と思っていたので、密かに自分の時間を作り、
デザインコンペなどに出したりもしていました。
『肩書き』がないと、彫金師として仕事をした時に弱いと
思い込んでいたからです。
まあ、軒並み見事に落っこちましたが(笑)
そんな私が今、どうやって彫金師としてやり始めたのか。。。?
きっかけは、本当に自分の思い描いていたものとは程遠かったです。
本職、激務過ぎで髄膜炎になり入院
研究者の仕事は多岐にわたっておりまして、
ここでは詳細は省きますが、3~5足の草鞋を履くような仕事量でした。
今で言えば、ブラックの最たるものでしょう。
そして私、あまり器用な方ではないので、
結構ところどころでつまずきますし、
人間関係も上手に渡れないところもあって、
(ま、当時えらく頑固だったこともあって)
体は疲れても、寝られなかったりすることが長らく続きました。
そんな折にひどい風邪をひきまして(おそらくインフルエンザ)、
それでも仕事が終わらず休めない、
休めないから仕事が捗らない。。。を繰り返して
とうとう微熱が下がらなくなりました。
おかしいな?と思っていたら帯状疱疹になり、
帯状疱疹が病院でもらった薬でも治らずに、
とうとう髄膜炎になってしまって入院する羽目になりました。
1ヶ月ほど入院しました。
もう体力的にも限界が来ていること、
そして精神的にも限界が来ていることを悟りました。
しかしながら、学生を教えていたり、
実習があったりと、研究費をもらっているプロジェクトもあったりして、
それからまた3年間も辞めずにずるずると働き続けてしまうのです。
そしてきっかけは突然やってきました。。。
長々となりましたが、もうちょっと続きます!
ぼちぼちお付き合いくださると嬉しいです。
関連情報
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